分岐器について
設計からアフターケアまで一貫した生産体制が、
高品質で信頼性の高い製品を支えています。また、次世代の分岐器を見据え、
若い人材育成にも積極的に取り組んでいます。
私たちは、鉄道の現場でのニーズを見据え、開発・改良に取り組み様々な提案をさせていただいています。分岐器は、敷設場所に応じて多種多様な形態が要求されます。ケースにより、綿密な現場調査・測量を経て、その仕様に応じた個別の分岐器を、CAD等を駆使し設計しております。
分岐器を構成するレールは、様々な切削加工を組み合わせて製作されます。このレール加工をコンピュータ制御の機械で行うためには、加工用刃物の形状設計あるいは機械制御プログラムの開発まで、レール素材の特性を考慮しながら加工のノウハウを活かして自前で作成する必要があります。
断面形状の異なるSレールと一般レールとつなぎ合わせるための加工を行います。Sレールの端部を炉で1000℃近くまで加熱、油圧ベンダーで金型に押付け、一般レールの断面形状に加工する作業です。コンピュータ制御では対応できない、経験と技術が必要となります。
先端が刃物のように加工されるトングレールは、削り加工後も焼入れ効果がなくならないよう、焼入れ処理前にレールを荒削り加工します。
分岐器を構成するトングレールの尖端は、刃物のように加工され、摩耗しやすい形状になっています。そのためにレール頭部に焼入れ処理をして耐摩耗性を良くしています。
焼入れしたレールは、歪を取った後、細部にわたり精度の高い削り加工、穴あけ加工をします。MC、プレーナー、セーバー、フライスなどを駆使して加工され、場合によっては十数工程にも及びます。
レールは、削り加工により歪が発生します。最終工程ではその歪を矯正機で取り除くとともに、必要な曲げ加工も行います。
切断・分岐器の部品も高い精度が要求され、原材料の歪、溶接による歪も見逃せません。部品の製造工程の要所々々でベンダーを使って歪取り作業が行われます。
分岐器には、レールを締結するために多種多様な部品が使用されています。多量に必要なものは鋳造あるいは鍛造で作成されますが、多品種少量の部品は鋼板、厚鋼板から切り出してMC、フライス、セーバー、ボール盤などを駆使して加工されます。
機械加工された部品はさらに溶接によって形作られていきます。なかでもレールを支え、締結する床板は、形は同じでも寸法が異なる場合が多く、溶接の自動化が難しいものです。
分岐器の部品も高い精度が要求され、原材料の歪、溶接による歪も見逃せません。部品の製造工程の要所々々でベンダーを使って歪取り作業が行われます。
歪を取った後、細部にわたり精度の高い削り加工、穴あけ加工をします。MC、プレーナー、セーバー、フライスなどを駆使して加工され、場合によっては十数工程にも及びます。
分岐器として一体で受注したものについては、工場内で組立または仮組して材料の構成と機能を確認し、完成検査を行い、場合によっては客先の立会いのもとに検査を受けます。組立が終了すると各部材にマーキングをしたうえで解体、梱包、出荷となりますが、マーキングは客先で敷設に伴う組立が容易に出来るよう配慮されています。
当社は、ISO9001:2015に従った品質マネジメントシステムを構築し、分岐器用レールを始め各部品にいたるまで、検査体制を整えて実施し、品質を保証しています。
完成した分岐器用品は、各地の鉄道会社の保線基地、ヤードへトラックで配送されます。分岐器で使用するレールは、精度を高くして仕上げられているため、運搬途中での損傷は勿論、歪を生ずることを避けるように、慎重な荷造りと運搬への気遣いが要求されます。
分岐器は、絶えず列車のスピードと加重を受け過酷な条件にさらされています。またポイントは、信号システムの制御を受けて可動する構造となっています。このため、顧客の線路保守部門では分岐器の保守、調整は欠かせないものとなっています。当社は、アフターケアとして顧客の要請に応じて、分岐器の保守、調整にも協力しております。